私の研究

何を研究しているのか?(「超」ざっくりと)

私(すべての論文に共著者がいるため本来は複数形の「我々」にすべきなのですが,ややこしいのでこの記事では一人称はすべて「私」で統一させていただいております)は,人間はなぜ,こんなにも複雑な視覚刺激(=目にした画像や映像)を的確に認知できるのかということを明らかにするために,心理物理学・認知神経科学的アプローチを用いて研究を進めています。

簡単に申し上げると,心理物理学的アプローチでは,人間が特定の視覚刺激を見たときにどのような反応(行動反応:ボタン押しによる評価など)をするか記録し,視覚刺激との関係性を分析するというようなことを行い,認知神経科学的アプローチとしては,様々な視覚刺激を見ている人間の脳活動を記録し,その脳活動と視覚刺激との関係性を分析するということを行っております。

人間の視覚的な意識体験は,左右の両眼から入った光が網膜に「当たり」,それが神経を通して後頭葉の視覚野に「送られ」,そこから諸々の処理が進むことによって生じているはずです。したがって,視覚刺激,それに応じた脳活動,そしてその結果としての行動反応をセットで分析してゆくことが非常に大切になります。

ただ,一口に視覚的な意識体験と言っても様々あります,というかありまくります。ということで,的を絞らなければ話が進みません。そこで私は,視覚刺激の種類としては「テクスチャ」「様々な物体の表面」「シーン(自然情景)」を扱い,属性としては「表面の材質」や「リアルさ」に注目して研究を進めております。

論文になっているものとまだ途上のものがありますが,ここからは各プロジェクトについて詳細に書いてゆきます。もしご興味あればご一読いただけますと幸いです(なお,特に「ネタバレ注意」とかは設けておりませんので,どうしても原著論文から読みたい方:いないと思いますが は以下の記事はクリックされないことをおすすめします!)。

論文紹介

新しいものから順に,私が筆頭著者である論文のみ掲載しております。また,論文で用いた計測手法(behavior:行動実験,EEG:脳波,MEG:脳磁図,fMRI:機能的核磁気共鳴画像法)も簡潔に示しております。年代順に追いたい方は,お手数ですが一番下までスクロールして御覧ください。悲しいことにそんなに業績が多いわけではないのですぐスクロールできるはずです。

5.視覚刺激の「リアルさ」をコードする神経基盤:behavior+fMRI+MEG

引用:Orima & Ban (in prep)詳細な解説はこちら

日本視覚学会2025年夏季大会で途中段階のデータを発表いたしました。今後は国際会議で発表し,まもなく論文化することを目論んでいます。現時点ではプレプリントさえございませんので,記事の方は少々お待ち下さい。

4.シーンやオブジェクト認知における統計的特徴量の重要性:behavior+EEG

引用:Orima, Kurosawa, Sekimoto,& Motoyoshi (under review)詳細な解説はこちら

過去の研究では,自然のシーンや物体の知覚には,空間的なレイアウトや形状情報のような「詳細な」情報が必要であることが示唆されてきました。一方で,シーンの大まかな情報(自然か人工か,開放的か閉鎖的か)については人間は非常に素早く判別でき,これらは統計的な特徴量(≒全体から計算される比較的「ざっくり」な情報)に依ることが示唆されてきました。

本研究では,最近(と言っても10年前とかですが)の技術発展により利用可能となったNeural Style Transfer (NST) を用いて高次の統計的特徴量(スタイル特徴量)を抽出てそれだけを原画とマッチさせた画像を用意し,過去の研究で計算方法が確立されていた比較的低次の統計的特徴量(画像統計量)のみをマッチさせた画像を用いてカテゴリ判別課題を行うことで,高次の統計的特徴量はシーンやオブジェクトのカテゴリ判別に活きることを見出しました。また,脳波からのデコーディングで脳活動レベルで見ると,シーンは脳活動とも一貫するが,オブジェクトの場合は様子が異なることも示唆されました。

本研究の結果,(少なくとも大域的には)空間的なレイアウトを無視した画像特徴がシーンやオブジェクトの認知に肝要であることが見出され,統計的特徴量によるシーン・オブジェクト認知の説明の限界にも踏み込むことができたと考えております。

3.材質認知における統計的特徴量の重要性:behavior+EEG

引用:Orima, Wakita,& Motoyoshi (2025)詳細な解説はこちら
ほげ

2.脳波から特徴量の符号化過程を解析する新手法の提案:behavior+EEG

引用:Orima & Motoyoshi (2023)詳細な解説はこちら
ほげ

1.テクスチャの知覚と画像統計量の関係性の解析:behavior+EEG

引用:Orima & Motoyoshi (2021)詳細な解説はこちら
ほげ